■高さ5mのイロハモミジ
玄関を入り、10mはある長い廊下を進んだつきあたり、階段の先にこの家のシンボルツリーが見えます。2つのキュービックを廊下で繋いだような幾何学的建物に、自然にカーブする枝が柔らかさを加えています。そびえ立つコンクリート壁に5mの木1本だけという状況は、この木の存在感をより際立たせます。

重要な役割の木でしたから、樹形のいいものを求め、ずいぶん多くの農園を探しました。紅葉が期待できるモミジの株立ちに焦点を定め、探していきました。

このクラスの木は、高さもさることながら、葉張りもあり、建物施工後の細い通路から納入すると木を痛めてしまいます。かといって、建築前期で植栽するのも、水切れや建築の邪魔になります。結局、近所の了解をとりつけ、竣工後に隣家の駐車場からユニックで吊り上げ、植栽することになりました。
 
 
■もう一つのシンボル
ダイニング前のサークル型ベンチにはハナミズキを植えています。ベンチに座った時に邪魔にならないように、下枝が張らないタイプで、四季の変化があり、管理の楽なことを考慮しました、テラスはGLから1m上にあり、道路から階段を上がっていくと、まず、このテラスとハナミズキが目に飛び込んできます。
 
 
■なだれが起きる急斜面
玄関左の法面は、60度はあるかと思われる急斜面で、中に一歩足を踏み入れると、土は上からまっさかさまに落ちるほどでした。入り組んだ根が強力な土留めの役割をしており、なるべく既存樹を残す方向で、整地をしていきました。次に、土留め板を3段に分けて打ち、二つの板の間の土地を平らにするように客土を加え、整えていきました。これだけの土留めをしても、ホースで撒く水では勢いがあり、上部から流れていきがちです。そこで、ドロップ式灌水システムを設置し、メンテナンスフリーとしました。

■見て楽しい雑木景に変身
残した既存樹はヤブニッケイ、栗、サカキ、エノキ、アカメカシワ等。その自然樹の風合いを生かした植栽を心がけました。落葉では、ヤマブキ、ユキヤナギ、レンギョウ、アジサイ、コデマリを。常緑はアオキ、ヒサカキ、ヒイラギナンテンを同種2,3株をいくつかのグループに、あえて無秩序に植栽しています。角度をつけて植えることで、ナチュラルな雰囲気を出しています。外を通る人にも、自然を少しでも楽しんでもらえるように、花の時期も考慮し、変化がでるような潅木です。

シタクサは、オカメザサの植えつぶしです。以前も笹が生えていたことを考えると、今後も笹が生えてくる可能性があります。また、土留めとしても優秀なのも選択した別の理由です。道路との際の土留め板を上からふんわりと隠すように、ヤブランを2列植えています
 
     
 
■施工面積/100u
■工期/5日(仮植えを含めると4ヶ月)
■総工費/240万円(内訳:既存樹伐採7万円/植栽工事160万円/灌水システム50万円/コーディネート費31万円)
■主な植物リスト:
イロハモミジ、ハナミズキ、アラカシ、レイランディ、カシワバアジサイ、アベリア、フイリヤブラン、ヤマブキ、レンギョウ、ユキヤナギ、ハマヒサカキ、オカメザサ
 

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